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2023.09.13

減塩箸

「だしの伝道師®」土居でございます。

楽に減塩できそうです。

 

しょうゆ好き

親子三代しょうゆ好きです。祖父は漬物にしょうゆをかけてました。そして父はカレーに、私は塩鯖にしょうゆをかけ、そのたびに母の小言を浴びたものです。
それでも祖父、父、私が、食卓でしょうゆボトルのパス回しを控えることはありませんでした。

我が実家に限らず、日本人は総じてしょうゆ好きです。しょうゆだけが悪者ではありませんが、何にでもしょうゆをかける食習慣は、高い食塩摂取量とそれに由来する高血圧の一因とされています。

 

日本人の食塩摂取源

ある疫学研究の結果によると、日本人の食塩摂取源は、しょうゆ、漬物、調味料、塩干魚、みそ汁、つゆの順であることが解明されました。まるで我が実家の食卓です。

また同研究は1日1gの減塩で血圧が1mmHg減少すると報告しています。一見わずかですが、国民全体の血圧が2mmHg減少しただけで、日本における循環器疾患の年間死亡者が2万人以上減少すると推測されているのです。
わかっちゃいるけど、塩分はなかなか減らせません。しょうゆはおいしいし、塩気のない食事は味気ないし。

 

かつお節のライバル

ここで朗報。明治大学総合数理学部の宮下教授のチームが、塩味を強くする箸を開発したのです。この箸には弱い電流が流れていて、口に入れた食品に含まれるナトリウムイオンの働きを変化させ、舌の塩味受容体を刺激するというのです。結果、塩味を1.5倍強く感じるようになり5割の減塩が可能となったのです。

食器の力で塩分を減らす画期的な発明に感心しつつ、「だしを感じる椀」なんかができたら椀のだし感で減塩できてしまい、かつお節が売れなくなるじゃないかと心配した次第なのであります。

マルトモ株式会社 マーケティング本部 本部長
土居幹治 専務取締役

愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。

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