土居幹治 専務取締役
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。
「だしの伝道師®」土居でございます。
かつお節などの乾物づくりは、いかに効率よく水分を落とすかがポイントです。

※ 焙乾の薪
乾物づくりはその名の通り水分との戦いです。のり、かんぴょう、しいたけ、昆布、するめ、かつお節。どれも、たっぷり含まれる生原料の水分をいかに効率よく減らしていくかがポイントです。
例えばかつお節。生のカツオの水分は70%で、煮ると65%。これを毎日燻して10日がかりで水分20%にまで落とします。しかし、ここからが正念場。常温でも腐敗しない水分13%前後にまで下げるには、人力ではもう無理。

※ かつお節を煮熟する様子
そこで微生物の力を借りることになります。かつお節かびを表面で繁殖させ、半年かけてゆっくり水分を吸ってもらうんです。夏場はかびも喉が渇くらしく、水分の低下も早い。

※ かつお節のかび付け
喉が渇くといえば、中学校で体育教師をやっている友人が「夏の部活動は水分補給との戦いだ」と言ってました。昨今の熱中症対策が浸透し「水を飲むやつは根性が足りない」式の指導をする教師など当然いませんが、いかに効率よく水分を取らせ、身体能力を引き出すかが指導者の腕にかかってるんです。
サラリーマン社会でも昼間の水分摂取がまあまあ周知されてきましたが、そのせいでアフター5(ファイブ)のビール需要が落ちてしまいました。喉が乾かず、お腹ちゃぷんちゃぷんじゃ「のどごし爽快生ビール」の悦びは味わえません。
ちなみに、人間の水分は成人男性で65%(生後すぐは80%、中学生だと70%くらい)、成人女性で55%。部活動なんかで1%水分が減ると喉が渇き、2%減で脱水症状、4%減で情緒不安定になり、8%不足すると精神錯乱や呼吸困難が起こります。

※ ヒトの水分
水は生命活動の根幹を成しています。水を断って炎天下のグラウンドを駆けていた40年前。今考えると恐ろしい。件の友人曰く、「水分補給はゆっくり少しずつが基本」。一度に大量補給すると、体内での吸収効率が落ちるのだそうです。
これは、乾物づくりにも共通しています。「乾燥はゆっくり少しずつ」が基本。急激に水分を落とすと、乾物の品質は確実に落ちるのです。

※ 焙乾工程と節
乾物と部活。水分との戦いに意外な共通点が見つかった昼下がりです。
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
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かつお節文化の拡散に邁進中。
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