土居幹治 専務取締役
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。
「だしの伝道師®」土居でございます。
かつお節のルーツという説もあるモルジブ。
現地のかつお節はスリランカに輸出されてます。

昔のアルバムを見ていたら、1970年の大阪万博の写真にたどり着きました。
小学校1年生の夏、炎天下の行列を避け、がらがらのセイロン館で一息つく母と私のツーショット。

1972年にスリランカに国名が変わったセイロンですが、この国の料理には日本同様たっぷりかつお節が使われているわけで、今の仕事を考えると不思議な縁を感じてしまいます。
スリランカのかつお節は主にモルジブ製造のもので、地元では「ウンバラカダ」と呼ばれています。ちょっと水分が高いけど日本のかつお節のルーツという説もあります。スリランカの家庭では、このウンバラカダを石臼でつぶし、調味料やたんぱく源としてさまざまな料理に使用するのです。
実際に味わうべく、スリランカ料理の専門店「コートロッジ」を中野にたずねました。
テーブルに着き「かつお節を使った料理ください」と言うと、「それはポルサンボールね、ライスと一緒に食べるよ」と片言の日本語。そして、10分ほどしてライスと一緒に出てきたポルサンボールとやらは、そぼろタイプの激辛ふりかけで強烈なオレンジ色。

※ スリランカ料理のイメージ
そぼろ状のものはココヤシの実を砕いたもので、その中にウンバラカダの粒が入っていました。「こんな激辛じゃ、かつお節の味なんかわからないよ」と店員に迫ってみましたが、「辛いよ。でもかつお節入れないとポルサンボールじゃないね」と、白い歯を光らせながら丸め込まれてしまいました。

スリランカのかつお節とココヤシとの関わりは料理だけではありません。煮たカツオを煙でいぶす際のくん材として、現地ではココヤシの木がよく使われるのです(日本では樫、桜、クヌギなどの広葉樹)。
南国イメージの典型ともいえるココヤシと日本料理の心かつお節。この意外な取り合わせがこの国の文化なのです。
スリランカのかつお節のことをもっと知りたくなり、店を出る時「ウンバラカダもらえませんか」と言ってみました。「それはダメよ」と白い歯が笑ってました。
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
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