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2022.11.30

枕崎のイノベーション

「だしの伝道師®」土居でございます。

削りぶし生産量日本一はマルトモの本社がある愛媛県伊予市ですが、その原料であるかつお節の日本一は鹿児島県枕崎市です。ここは地の利を活かすのが本当にうまい。地の利とは、「本州最南端」「シラス台地」「台風銀座」。

枕崎の風景

 

本州最南端

1609年、薩摩藩は琉球を服属させました。そして琉球を通じて中国と交易し、その富で56万石から77万石に加増。江戸幕府は石高以上に中国の最新技術が薩摩に伝わることを恐れましたが、最南端の地の利だけはどうしようもありません。中国から海流に乗って自然にたどり着くのが枕崎に近い坊津(ぼうのつ)なのです。

1970年、大隅半島の内之浦宇宙空間観測所から、我が国初の人工衛星おおすみが打ち上げられました。遠心力の関係で、ロケットの発射は赤道に近いほど有利。
もちろん、南方戦線に近いという理由で特攻基地が設置された知覧の若者たちのことも、忘れてはなりません。

蛍来て生きて知覧の石灯籠 「だしの伝道師®」

 

シラス台地

小学校の社会科の授業で、シラス台地は芋しかできない貧しい土地と習った記憶がありますが、今はそうでもないんです。ある畑は一面「知覧茶」の緑、またある畑は焼酎用の芋「黄金千貫」、そして最近のブームは「そら豆」。シラス台地は変化に対応できる「カセグ台地」に進化していました。

シラス台地の新たな活用法として、シラスを圧着した「シラスブロック」に芝生を根付かせた芝生緑化基盤が発売されています。芝生が抜けにくく保水性が高いことから、屋上緑化や路面電車の軌道内緑化に活用中です。

シラス台地

 

台風銀座

台風上陸の現地中継でよく登場する枕崎。南方で発生する多くの台風が最初に接する陸地が枕崎です。ということは、南方でカツオを漁獲した船の入港も枕崎が近くて便利ということ。

枕崎漁港に大量のカツオが水揚げされ、かつお節産業が栄え、さらに漁港が拡張される。ここにマルトモが参画することで、原料から最終商品までのサプライチェーンマネージメントが完成するのです。
枕崎の海

マルトモ株式会社 マーケティング本部 本部長
土居幹治 専務取締役

愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。

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