土居幹治 専務取締役
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。
「だしの伝道師®」土居でございます。
食文化とのかかわりです。
某外食チェーンのバイヤーが、盲腸を切るかどうかでかなり悩んでました。時々痛むが切るのは忍びないと。そこで、実は役に立つ臓器だという最新の盲腸情報を提供し、喜んでいただいたのです。

それは、米国デューク大学医学部のパーカー教授が発表した「盲腸バックアップ機能説」。パーカー教授の説によると、盲腸は腸内善玉菌の「天然の保存庫」として働いています。例えば、コレラなどの重い腸感染症にかかると腸内の善玉菌が激減しますが、盲腸が避難所として機能し、善玉菌を保存しているおかげで健康な状態にいち早く復活するというのです。
事実、クロストリジウム・ディフィシルという菌由来の腸感染症にかかった254人の患者を調べたところ、盲腸のある患者のディフィシル菌再発率が18%だったのに対し、盲腸がない患者では45%にも上がりました。一見つまらない臓器で、炎症を起こすとすぐに切除されてしまう盲腸に立派なバックアップ機能があったのです。
そして、饒舌になったバイヤーが、趣味の歴史の話を披露してくれ、江戸下屋敷に盲腸のようなバックアップ機能があったことを教えてくれました。ご存じ、江戸時代の参勤交代システムは、大名が国元で1年過ごした翌年に、江戸で1年過ごすという天才的景気向上策。大名行列の衣食住に加え、街道や宿場が整備される2次的効果もすごい。

江戸滞在中に大名が暮らす邸宅が上屋敷で、東京事務所的役割が中屋敷。別荘かつ災害時の緊急避難場所的役目を負っていたのが、下屋敷らしいのです。まさに盲腸。
ちなみに、伊予松山藩上屋敷は現在の慈恵大学病院、中屋敷は三田のイタリア大使館、下屋敷は戸越銀座商店街あたり。

本来、地方大名の財政を疲弊させることが目的の参勤交代ですが、無駄消費の果ての経済効果を生み出したように、無意味そうな盲腸が人類を救うこともあるのです。
盲腸も下屋敷もパソコンデータも、バックアップが肝心ということで商談は終わったのであります。
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
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かつお節文化の拡散に邁進中。
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