土居幹治 専務取締役
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。
「だしの伝道師®」土居でございます。
ダーウィン先生オマージュです。
ウィスコンシン大学のホークス博士は論文の中で、「人類ほど自身の運命を変えてきた生物はない」と述べています。
大自然の脅威や猛獣から身を守るすべを学び、命にかかわる多くの病気を根治し、狭い畑を工業型農業の広大な農地に変えました。
つまり、人類は自然に逆らい、自然をコントロールする力によって自然選択を免れたというのです。だから、「適者生存」などもはや存在せず、人類の進化は事実上終わったと主張する人も多くいます。
いやいやそんなことはありません。やわらかいものばかり食べて育った最近のイケメンはあごが小さく小顔じゃないですか。
背も高いし脚も長い。進化に取り残されたおっさんのひがみかもしれませんが、進化は終わってなんかいません。
最近の人類進化の実例として最もよく研究されてきたのが「乳糖耐性」。
人類はみな乳糖を分解するラクターゼという酵素を持って生まれてくるため、乳からエネルギーを容易に得ることができます。
これは乳児が生きるための必須能力ですが、ほとんどの人が成人になるまでにこの能力を失ってしまいます。
ところが酪農が始まり、成人が乳を飲み始めた7000年前頃からラクターゼが消失しない遺伝子変異が生じるようになったんです。
結果、現時点で70%前後の成人が乳糖を分解できるように「進化」しました(日本人に限ると20%くらい)。
夜ごと風呂上がりに牛乳500mlを一気飲みする筆者、間違いなく乳糖を分解できる「進化組」だと思うのですが…。
そしてもう1つが足の小指の関節。
まず手の指を見ます。付け根の関節を1つと数えると親指の関節は2つで、それ以外は3つ。ならば足の指も同じかと思いきや、約9割の日本人は弥生時代頃から足の小指の関節が2つに進化(退化)しているらしいんです。
牛乳を飲みほした後、自身の足の小指を見てみました。見事に関節が3つあり「縄文人かよっ」とひとり突っ込みを入れました。心身ともに、まだまだ進化の途中なのであります。
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。
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