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2024.03.27

タコウインナー

「だしの伝道師®」土居でございます。

昭和のひとコマです。

 

友情の証

タコウインナーには想い出があります。小学1年の遠足のお昼ご飯、弁当箱のふたを開けたままトイレに行った山本君のお弁当を、野良犬が食べてしまうという事件が起こりました。
「みんな少しずつおかずを分けてあげなさい」

 

担任の森先生の言葉に、涙ぐむ山本君が笑顔に変わりました。その時、私が提供したおかずが大好きなタコウインナーだったんです。山本君のお弁当箱の中で、燦然と輝く私の真っ赤なタコウインナー。友情の証としては最高の贈り物だぜ。

 

カルミン酸

その日から、タコウインナーの赤を見るたびにこの日のことを思い出します。もしあの時、山本君にあげたウインナーがシャウエッセン等のホンモノ志向系だったら、こんな風に記憶のランドマークにはならなかったと思います。
ウキウキの遠足に顔色の悪いタコウインナーじゃ、まずいだろ。

 

真っ赤なウインナーの原材料表示を見てみます。
「…着色料(カルミン酸、アナトー)…」
注目は、カルミン酸。これは、メキシコあたりのサボテンに生息するエンジ虫のメスから抽出されるという不思議な色素。そういやタコウインナーも、「国籍:メキシコ」って感じの面構えだし。

 

ラテン系

うん、前世はソンブレロとポンチョをまとったメキシコ人「ホセ・ロドリゲス」てなストーリーもいい。
ラテン系の食べ物だったんだ、タコウインナーって。

 

これ以上「ハレ」の日を演出できる陽気な食材は他にありません。
そんなことを思いながら、タコさんをかつおまみれにしてみました。楽しそうでしょ。

 

マルトモ株式会社 マーケティング本部 本部長
土居幹治 専務取締役

愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。

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