Loading...
ハンバーガーメニュー
×
2025.07.16

魚肉ソーセージとかつお節

「だしの伝道師®」土居でございます。

愛媛発祥の加工食品です。

 

魚肉ソーセージ

1950年、愛媛県八幡浜市の西南開発株式会社が日本で初めて魚肉ソーセージを商品化して、今年で75年。あのオレンジ色のセロファンとピンク色のボディーが忘れられないという人も多いと思います。

 

戦後の動物性たんぱく質不足を補うため、「スモークミート」という商品名で世に出た魚肉ソーセージは、1954年の「第5福竜丸」被ばく事件の風評被害で鮮魚消費が落ち込んだマグロの利用策として、一気に生産が拡大したのです。

 

 

生産終了

ところがその後、使用していた添加物の発ガン性問題で消費が激減。小学生だった当時、売れなくなった魚肉ソーセージを動物園の白クマに与えるシーンをニュースで見て、「白クマさんはガンになってもいいのか」と思ったことを覚えています。

魚肉ソーセージの生産量は1954年が4千トン。福竜丸事件で1956年には2万6千トン。高度経済成長期の1972年に18万トンでピークとなり、発がん性問題で1974年には12万5千トンまで落ち込みました。近年は5万トン台を推移していますが、私を含めて根強いファンは多いんです。

そんな、魚肉ソーセージの西南開発さんが自主廃業され、今夏で魚肉ソーセージの生産を終了するというニュースが飛び込んできました。ショックであります。

 

たんぱく質が約75%

そこで、いろいろ苦労した魚肉ソーセージの労をねぎらい、発売75周年つながりで、動物性たんぱく質が75%近くあるかつお節とともに、愛媛の水産加工技術を後世に残そうではありませんか。

 

魚肉ソーセージをスライスしてフライパンで焼き、大根おろしとかつお節をのせてみてください。ものすごくおいしい愛媛の味がします。この夏、食べおさめです。

 

 

マルトモ株式会社
土居幹治 専務取締役

愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。