土居幹治 専務取締役
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
研究開発に従事。九州大学への論文提出で農学博士号取得。
「だしの伝道師Ⓡ」という二つ名で小学校や公民館での出前授業を実施し、
かつお節文化の拡散に邁進中。
「だしの伝道師®」土居でございます。
医療伝道師、リビングストンが発見しました。
スイカをおいしく食べる儀式があります。それは、玉をポンポン叩く品定めではなく、ピタゴラス的8等分で包丁を入れる技でもありません。もちろん、オトナの塩ふりでもない。儀式に必要なのは流し台だけ。井戸水で15℃前後に冷やしたスイカを息つく間もなく浴びるように流し台でかぶりつくんです。ただそれだけです。

シャワシャワと連続的に頬張りながら口のまわりをベトベトにする。種が飛び散ろうが胃の中に入ろうが、そんなことは関係ありません。その時、ぜいたくにむさぼる物理的恍惚感と、服と台所と口のまわりをよごしてしまう幼少回帰への憧憬が交錯し、最高の興奮状態を迎えるんです。
「祭ばやし」「サマーキッズ」「ひとりじめ」「ダイナマイト」といったスイカの品種名を見てもわかります。子供のように、やんちゃに、そして豪快に食べるんです。お皿に乗っけてスプーンで食べているおぼっちゃま、スイカはマンゴーじゃない。庶民の果物なんです。

ところで、スイカは果物じゃなく野菜だという人がいます。果物と野菜は木になるか草になるかで区別され、草になるスイカは定義上野菜ということになるんです。果物の語源は「木だ物」。「毛だ物」が獣になったように、木になるから果物なんです。
一方、実だけを食べるのが果物で、葉や茎や根っこも食べるのが野菜という考え方もあります。となるとスイカはやっぱり果物だ。果物がいい。ダイナマイトなんていうファンキーな品種は野菜に不似合いだし、野菜ジュースにスイカ味は合いません。

南アフリカのカラハリ砂漠が原産というスイカの野生種を発見したのは、イギリスの医療伝道者リビングストン。灼熱のただ中で水の玉にたどり着いた時の高ぶりは想像に難くありません。ならば流し台でかぶりつく現代のスイカは、タイムトンネルのオアシスなのでしょうか。さあ、準備を整え、センチメンタルジャーニーに出かけましょう。流し台で真っ赤なスイカがお待ちかねです。
愛媛大学農学部農芸化学科を卒業後、マルトモ株式会社に入社して
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